IG証券はイギリスに本拠地がありながら金融庁の認可も受けている国内FX取引所です。
そんなIG証券の成り立ちから、両建てが使えるのかどうかよく分からないという人がいるのではないでしょうか。
また、両建てをなんのためにするのか、どうやって利益をだすのか疑問を感じてる人もいるでしょう。
そこで今回はIG証券の両建てについて分かりやすく解説します。
IG証券の両建てを分かりやすく解説
IG証券は両建て可能
IG証券は両建てが可能です。
IG証券の公式サイトにも両建ての解説と手順が明記されていました。 実は両建ては国内FX取引所ではほぼ認められています。
しかしゼロカットが導入されている海外FX取引所では両建てに関しては同一口座内のみ、などの制限がかけられていました。
IG証券はイギリスに本拠地がありますが、日本の金融庁の認可を受けたれっきとした日本のFX取引所です。
そのため、IG証券では両建てが認められているのでしょう。
IG証券の両建てのメリット
IG証券の両建てには次のようなメリットがありました。
・価格変動に対するリスクヘッジが可能
・ロスカットされにくくなる
両建てとは「売りポジション」と「買いポジション」を同時に保有するトレード手法です。
もし売りポジションで損失がでていたとしても、買いポジションで利益がでているため、損失を抑えられるメリットがあります。
ただ両建てを続けるだけではいつまで経っても利益はでません。
IG証券の両建てのメリットが活かせるのは次のようなパターンでしょう。
・レンジ相場で両建て開始
・上昇または下落トレンドが発生したらマイナスのポジションを決済
レンジ相場の間は両建てで利益と損失を相殺できるため、ロスカットに合う可能性はほとんどないでしょう。
そしてトレンドが起きたら素早く損失が出ている方の決済注文をだすだけ。
両建てにはこのようなメリットがありますが、実際にトレードするのは少々難しいかもしれません。
そもそもレンジ相場がいつまで続くのか誰にも分かりません。
IG証券の両建てにはメリットがありますが、初心者向けではないトレード手法だといえるでしょう。
IG証券の両建て 証拠金
IG証券の両建て時の証拠金は「MAX方式」がとられています。
MAX方式とは、ポジションが大きい方の証拠金だけでよい仕組みです。
つまり買いポジションの証拠金の方が大きいのであれば、買いポジション分の証拠金を準備すればよいだけ。
取引所によっては、売りと買い両方のポジションに必要な証拠金を求められることもあります。
その点、IG証券の両建て時の証拠金のルールはトレーダーにとってありがたい仕組みといえるでしょう。
つまり、通常のトレードと両建てトレードの場合、必要な証拠金に違いはありません。
IG証券の両建て スワップポイント(ファンディングコスト)
IG証券 両建ての維持費えぐい pic.twitter.com/ZP3eC5bVbl
— お〜が (@STRONGZERO999) September 16, 2020
IG証券の両建てのスワップポイントについて見ていきましょう。
IG証券ではファンディングコストと呼ばれています。
IG証券には現物取引はありません。
FXや株価指数、商品、個別株などのCFDではスワップポイント(ファンディングコスト)が発生します。
スワップポイントはポジションを保有するとかかってくる手数料。
証拠金と違い、スワップポイントが相殺されることはありません。
買いポジションと売りポジションそれぞれにスワップポイントがかかるため、通常のトレードに比べ2倍のコストとなります。
IG証券のスワップポイント発生時刻(日本時間)は以下のとおり。
・夏時間:火曜日〜土曜日 AM6:00 ・冬時間:火曜日〜土曜日 AM7:00
上記のスワップポイント発生時刻をまたいでポジションを保有していると、スワップポイントが発生します。 では次にIG証券のスワップポイントを見てみましょう。
2022年8月24日の米ドル/円を例にあげます。
・売り:-108
・買い:76
IG証券で両建てをしている場合、「-108+76=-32」のスワップポイントが発生しました。 ちなみに8月の他のスワップポイントもすべて確認しましたが、両建ての場合すべて「-32」でした。 IG証券はスワップポイントが他の取引所に比べて不利と言われています。 両建てをし続けている限り、毎日こうしたスワップポイントを支払わなければいけません。 IG証券で両建てする際は、短期保有にとどめておくほうがよいでしょう。
IG証券の両建て スプレッド
IG証券の両建てでは、スプレッドも考慮に入れておかなければいけません。
スワップポイントと同じく、証拠金のように相殺されないからです。
IG証券に限らず、スプレッドは売値と買値に元から含まれています。
つまり、IG証券の両建て時には以下のスプレッドを負担しなければいけません。
・買いポジションに含まれるスプレッド
・売りポジションに含まれるスプレッド
米ドル/円の広告表示のスプレッドは「0.2」です。 このスプレッドは他の取引所と比較しても充分に狭い水準です。
ですがIG証券で両建てをするとスプレッドは買いと売りの2倍必要になります。
両建て時にはスプレッドも余計にかかると心に留めておきましょう。
IG証券の両建てのやり方
IG証券のCFD取引。便利なんだけどさ、両建てを有効にし忘れて毎回決済しちゃうんだけど😒設定できないのウザイヨ
— 10年でFIREするむぎみそパパ (@10FIRE48) March 29, 2022
IG証券の両建てのやり方をご紹介しましょう。
IG証券の注文パネルから、ただ単に買い注文と売り注文をいれただけでは両建てにはなりません。
注文パネルの下の方に「両建て」のオンオフボタンがあります。
両建てをしたい場合はスライドをクリックしてオンにしましょう。
ちなみにIG証券で両建てのボタンが表示されているのは「成行」注文と「スピード」注文のみでした。 指値や逆指値では両建てのボタンは表示されていません。
両建ては同一銘柄をできるだけ近い価格で売りと買いのポジションを建てておくやり方が基本です。
IG証券で両建てするのであれば、スピード注文を活用するほうがよいでしょう。
なお、ここで両建てのボタンをオンにし忘れて発注すると、単なる決済注文とみなされます。
建てたばかりのポジションがすぐさま決済されてしまいますので、両建てのやり方にはご注意ください。
IG証券の両建てができない場合
IG証券の成行注文で両建てが選べない場合、ノースリッページ注文が原因となっているかもしれません。
IG証券のノースリッページ注文は発注した価格で必ず約定することを保証する注文方法。
指値や逆指値で両建てボタンが表示されないことを考えると、ノースリッページ注文で両建てできないのは当然でしょう。
IG証券で両建てができない場合は、こうした設定にも注意しておきましょう。
IG証券の両建てを分かりやすく解説まとめ
IG証券の両建てについて詳しく解説しました。
IG証券では両建ては可能ですが、コストを考えると利益を出しづらいかもしれません。
とくにIG証券はスワップポイントが他の取引所と比べると不利です。
そのため両建てし続ける限り、重くコスト負担がのしかかり続けます。
無理にIG証券で両建てしなくてもよいのではないでしょうか。