IG証券はイギリスに本拠地をおくFX取引所。
いわば外資系の国内FX取引所です。
そんなIG証券で順調に利益を出せていると気になってくるのが税金ではないでしょうか。
そういった人の中には法人口座を使って節税できるのではとお考えの人も多いことでしょう。
しかし、そもそもIG証券に法人口座は作れるのでしょうか。
また、仮に作れるとして具体的にどういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。
そこで今回はIG証券の法人口座について分かりやすく解説していきます。
IG証券の法人口座を分かりやすく解説
IG証券は法人口座の開設が可能
IG証券には法人口座を開設することができます。
IG証券自体は海外を本拠地とする取引所ですが、海外法人を設立する必要はありません。
日本の法人で法人口座を開設可能です。
ただし、審査はやや厳しいようです。 IG証券は法人口座の開設基準を公表していません。
しかし、多くの情報を見るに審査に落ちたという声は少なくありません。
したがって、本業があり、かつサイドビジネスとしてFXも始めるといった明確な理由がない場合は審査に落とされることもあるかもしれません。
また、実態のないペーパーカンパニーでの口座開設はできませんし、資本金1円の法人が審査を通ることも難しいと予想されます。
IG証券へ法人口座を申し込むつもりの人はある程度はまとまった資本金を用意しておいたほうがよいでしょう。
IG証券の法人口座の開設方法
IG証券の法人口座は以下の3ステップで開設できます。
1.申込みフォームの入力と「印刷」
2.申込書、確認書類等の「郵送」
3.審査完了後の口座有効化
個人口座のようにオンラインで口座を作ることはできません。
法人口座を開設したい人は必ずIG証券へ「郵送で」書類を提出する必要があります。
また、現在、IG証券には法人口座開設の申し込みが殺到しているため、審査には書類受領から1ヶ月程度の時間を要します。
すでに法人口座を作ると決めている人はできるだけ早めに手続きしておくことをおすすめします。
IG証券の法人口座開設に必要な書類
IG証券の法人口座開設には以下の書類が必要です。
・店頭デリバティブ取引に関する申込書兼確認書
・外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に係る申告書
・法人の履歴事項全部証明書
・法人の印鑑証明書
・取引責任者の本人確認書類2点
・実質的支配者の本人確認書類2点
・法人番号確認書類
個人口座の場合にくらべてかなり多数の書類が必要です。
とはいえ、法人の履歴事項全部証明書は最寄りの法務局で取得できますし、法人番号確認書類は法人設立後に税務署より送付されているはずです。
総じて、用意するのにそれほど手間を要するものはありません。
しかし、IG証券に法人口座開設の申込みが殺到していることは先に触れたとおりです。
できればなるべく早く手元に用意しておいたほうがよいでしょう。
なお、銀行の法人口座開設には法人のパンフレットやウェブサイトを求められることがありますが、IG証券でそういった書類を求められることはないようです。
IG証券の法人口座のレバレッジ
IG証券の法人口座のレバレッジは個人口座とは異なります。 ※ IG証券公式サイトより引用 FXでいえば個人口座の最大レバレッジは25倍であるのに対して、法人口座は100倍です。
その他の商品に関しても同様で、基本的に法人口座では個人口座にくらべてはるかに高いレバレッジが利用可能です。
ただし、このレバレッジはあくまでも最大値。
IG証券の法人口座のレバレッジはマーケットの状況によっては制限がかけられることがある点には要注意です。
ちなみに、具体的なレバレッジ制限はIG証券の公式サイトに案内はありません。
おそらく日本証券業協会の公表するレバレッジカレンダーに準拠すると思われます。
法人口座のレバレッジ制限が気になる人はそちらを随時確認するようにしましょう。
IG証券の法人口座の税金
IG証券の法人口座で得た利益には法人税がかかります。
個人口座の場合は所得が上がるほど税率も上がる累進課税ですが、法人税は基本的に一律です。
法人の種類や所得額にもよりますが、たとえば資本金1億円以下の普通法人の税率は所得800万円までが15%、それ以上は23.20%です。
場合によっては個人口座よりも税率が高くなることもあります。
単にIG証券へ法人口座を作れば節税になるとはかぎりません。
法人口座の開設を検討している人は納税額の事前シミュレーションは怠らないようにしましょう。
IG証券で法人口座を使うメリット
IG証券で法人口座を使うメリットは節税手段の幅が広がることです。
税率については先に触れたように状況次第では個人口座よりも不利になってしまいます。
しかし、法人口座を使えば法人でしか使えない税制上の制度を利用できるようになるのです たとえば、損失の繰越控除などはその最たる例です。
損失の繰越控除は単年度に生じた損失を以降9年間にわたって将来の利益と相殺できる制度です。
これを利用すれば、仮にIG証券で大きな損失が生じたとしても将来的な節税につながります。
一応、実はIG証券は個人口座でも損失の繰越控除は利用できますが、その期限は3年間です。 3年が9年に伸びるというのは大きなメリットといってよいでしょう。
また、法人口座ならば幅広い経費算定ができたり役員報酬を絡めた節税が可能になったりもします。
IG証券の法人口座は開設すればそれで単純に節税になるようなものではありません。
ただ、節税の手段は格段に広がります。
あまりにも税金が高いとお困りの人は法人口座の開設を検討してみるのもよいでしょう。
IG証券で法人口座を使うデメリット
IG証券で法人口座を開設すると節税の幅は広がります。
一方でなんのデメリットもないわけではありません。
たとえば、IG証券へ法人口座を開設するには当然ながら法人の設立が必須ですが、その法人登記には20万円程度のコストがかかります。
また、設立後の運営に際しても会計や税務の委託費などのランニングコストが生じてきます。
仮に従業員を雇うとなれば社会保険料も法人が半分負担しなければなりません。
こういったデメリットも承知したうえでなければ、法人口座を作ったことでかえってコストがかかる結果にもなりかねません。
本当にIG証券に法人口座を作るべきかどうかは慎重に判断しましょう。
IG証券の法人口座を分かりやすく解説 まとめ
IG証券は法人口座を開設可能です。
法人口座を使えば個人では利用できない税制上の制度が利用できたり、さらに高いレバレッジで取り引きできたりといったメリットがあります。
一方で、法人口座の開設にはそれなりのコストがかかるうえに、法人設立後にもいくらかのランニングコストが発生してくるというデメリットもあります。
場合によっては個人口座よりもコストがかかってしまうということもありえます。
IG証券への法人口座開設を検討している人は、メリットとデメリットを天秤にかけて本当に口座開設が必要なのかどうかあらためて吟味することをおすすめします。