IG証券はイギリスを本拠地とするFX取引所です。
そんなIG証券で順調に利益を出している人の中には法人口座の利用を検討している人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際のところ法人口座を使うメリットとはなんなのでしょうか。
また、IG証券に法人口座を作るためにはどういった書類が必要なのでしょうか。
そこで今回はIG証券の法人口座について分かりやすく解説していきます。
IG証券の法人口座を分かりやすく解説
IG証券の法人口座のメリット
IG証券は法人口座も開設できます。
個人口座ではなく法人口座をわざわざ使う主なメリットは「利用可能レバレッジが高まること」と「節税の機会が増えること」です。
逆に言えば、普通のレバレッジで十分、節税を検討するほどの利益を狙っていないという人は法人口座を作る必要はありません。
また、当然ながらIG証券で法人口座を使うには法人を設立しなければなりません。
さらに、条件次第では法人維持のための手間や費用がかさみ、メリット以上にデメリットが大きくなってしまいます。
総じて、法人口座利用のハードルは低くありません。
本当にIG証券で法人口座を使うべきかどうかは事前にしっかりと検討しておきましょう。
IG証券の法人口座のレバレッジ
IG証券で法人口座を使う最大のメリットは個人口座よりも大きなレバレッジを使えることです。
IG証券の個人口座の最大レバレッジは以下のとおり。
・FX・・・25倍
・株式・・・5倍
・株価指数・・・10倍
・商品・・・20倍
・債権先物・・・50倍
対して、法人口座のレバレッジは以下のとおりです。
・FX・・・100倍
・株式・・・20倍
・株価指数・・・200倍
・商品・・・200倍
・債権先物・・・200倍
文字どおり桁が違います。
ただし、これはあくまでもIG証券内部での最大値。
法人のFX取引は法の規制により最大レバレッジが毎週変わります。
具体的な法人口座の最大レバレッジは毎週翌週分が事前に公表されます。
なお、この最大レバレッジは一般社団法人金融先物取引業協会の定める為替リスク想定比率に準じて決められます。
したがって、業者による違いはありません。
仮にIG証券以外の法人口座を使ったとしても最大値は同じです。
IG証券の法人口座の税金
IG証券の法人口座で得た利益には個人口座と同じく税金がかかります。
しかし、所得税である個人口座とは違い、法人口座の利益は法人税として課税されます。
そして両者は課税方式や税率自体が違います。
個人口座の所得税は所得が上がるほど税率も上がる累進課税。
対して、法人口座の法人税は基本的に固定税率です。
実際にIG証券の法人口座に適用される税率は法人種別や資本金の額によって複数のパターンかあります。
※ 国税庁ウェブサイトより一部引用
このあたりは国税庁で事前に最新の情報を確認しておきましょう。
なお、必ずしも法人口座が個人口座よりも税金的に有利とはかぎりません。
年間利益の額や法人種別次第ではかえって高い税率を適用されることもあります。
ここもまたIG証券で法人口座を使うべきかどうか事前にしっかりとシミュレートしておきましょう。
ちなみに、年間利益800万円が法人口座利用の損益分岐点のように言われることもありますが、これは正しくありません。
利益と所得は異なりますし、法人口座の場合は利益のうちいくらを役員報酬・従業員報酬として支出するかで所得も変動するからです。
あるいは経費の観点も抜けています。
実際にIG証券で法人口座を使って税金的に得するかどうかはケース・バイ・ケースです。
申し込みの前には綿密な節税計画を立てておくようにしましょう。
IG証券の法人口座で利用できる税制
IG証券で法人口座を使う主なメリットとしてはほかに「損失の繰越控除」や「損益通算」の制度が利用できることがよく挙げられます。
損失の繰越控除はその年の損失を翌年以降の利益と相殺できる制度です。
そして損益通算はその年の損益を複数の事業間で相殺できる制度です。
いずれもうまく活用すれば大きな節税効果を見込めます。
ただ、実はIG証券は個人口座でも損失の繰越控除が可能です。
海外FXは不可能ですが、IG証券は日本の金融庁の認可を受けたれっきとした国内FXだからです。
厳密には同じ制度ではなく細かい条件は違いますが、損失の繰越控除目当てで法人口座を使うのはおすすめではありません。
むしろ法人口座は役員報酬や従業員報酬を絡めた節税の余地ができることが大きいといえます。 このあたりはそれなりに複雑なスキームがあります。
実際にIG証券で法人口座を使うかどうかはそこまで含めてシミュレートするようにしましょう。
IG証券の法人口座の作り方
IG証券で法人口座を作るためには個人口座以上の書類が必要になります。
必要な追加書類は以下のとおり。
1.申込書兼確認書
2.コンプライアンス法に係る申告書
3.法人の履歴事項全部証明書
4.印鑑証明書
5.取引責任者の本人確認書類
6.実質的支配者の本人確認書類
7.法人番号確認書類
1と2はIG証券から取得できます。
法人口座開設の際に自分で用意すべきは3~7の書類です。
履歴事項全部証明書は評するに登記簿謄本。
法務局で取得できます。
法人番号確認書類は、そういった名称の書類があるわけではありません。
一般的には法人設立時に税務署から郵送されている法人番号通知書が使われます。
紛失している場合は、法人番号の掲載されている国税庁ウェブサイトの該当ページをプリントアウトしたものでも代用可能です。
法人口座開設には以上の書類をIG証券へ郵送、あるいはオンラインで提出しなければなりません。
IG証券の法人口座の審査内容
必要書類をIG証券へ提出したからと行って必ず法人口座が作れるわけではありません。
その後はIG証券の審査があります。
しかし、残念ながらIG証券は法人口座の審査内容を公表しておらず、正確な審査基準は一切不明です。
これは他社の法人口座でもたいてい同じです。
一応、一般的には資本金の多寡はあまり関係せず、確実な収益があるか、法人として実態があるかどうかなどが見られるとは言われています。
いわゆる「お固い」本業があるほど審査も通りやすいと考えておくとよいかもしれません。
なお、一般的に銀行の法人口座開設には担当者によるヒアリングがありますが、IG証券の場合はそうしたヒアリングがあるとはされていません。
ただ、個人口座開設でも電話による本人確認があるくらいですから法人口座でも電話ヒアリングくらいはあるかもしれません。
できれば一応は備えておいたほうがよいかとは思います。
IG証券の法人口座を分かりやすく解説 まとめ
IG証券で法人口座を使う主なメリットは最大レバレッジの拡張と節税の幅が広がることです。
ただし、節税に関しては必ずしもメリットがあるわけではなく条件と工夫次第です。 そこを無視して法人口座を作ってもかえって損をすることもあります。
また、IG証券の法人口座開設には審査があります。
書類を提出すれば必ず開設できるともかぎらないのでそこも注意しておきましょう。