IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率ってなに?
あなたは今、このようにお考えですよね。
追証とロスカット、証拠金維持率とは、レバレッジ取引で損失を抑えるためにリスク管理を行うためのルールです。
IG証券はイギリスを本拠地としたFX業者ですが、金融庁の認可を取得し国内FX業者ならではの「追証」を採用しています。
ここではIG証券の追証とロスカット、証拠金維持率について詳しく解説していきましょう。
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率を分かりやすく解説
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率は?
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率は、2パターンのどちらかのルールにもとづいてきまります。
- 東京定時ロスカット
- 通常強制ロスカット
両者の主な違いは追証入金の猶予と、ロスカット判定のタイミングでしょう。
追証とは、追加の証拠金をさしていますが、証拠金とはようするに口座残高をさしています。
そしてIG証券の追証には、2種類の証拠金があります。
- ロスカットを回避するための「任意の追証」
- ロスカット執行後の「強制的な追証」
ロスカットとは、口座残高が一定を下回った場合に、トレーダーの損失が発生しないよう、IG証券の手によってトレードを強制終了することをさします。
証拠金維持率とは、ロスカットや追証の発生を判定するための基準です。
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率の計算方法
IG証券の追証もロスカットも、証拠金維持率をもとに判定されます。
証拠金維持率は、口座残高の余力を示す指標であり「有効証拠金÷必要証拠金×100」の計算方法で求められます。
有効証拠金は「口座残高+保有ポジションの含み損益」をさしています。
一方必要証拠金は、ポジションを保有するのに最低限必要な証拠金です。
IG証券の最大レバレッジは25倍なので、たとえば日本円換算で100万円分のポジションを保有する場合、必要証拠金は4万円になります。
その時点でIG証券の口座に8万円あれば、有効証拠金は8万円になります。
証拠金維持率の計算方法は、8万円÷4万×100=200%になるというわけです。
しかし、有効証拠金は保有ポジションの含み損益次第で増減しますので、マーケットの変動によって証拠金維持率が低下するとロスカットが発生します。
ただ、証拠金維持率は計算方法の分子である「口座残高+含み損益」を変えれば回復できます。
レート変動で発生する含み損益はトレーダーが操作することはできませんが、口座残高はIG証券へ追加入金すれば回復できます。
このロスカットを事前に回避するために追加で口座へ入金する資金、すなわち上項の追証のうち「任意」で入金するものこそが本来の追証だと理解しておきましょう。
IG証券の追証・ロスカット・証拠金維持率【東京定時ロスカット】
IG証券の東京定時ロスカットは、東京時間の午前11時時点で証拠金維持率が100%以下の場合に執行されます。
逆にいえば、時間までに追証して証拠金維持率100%に回復できればロスカットは回避できます。
東京定時ロスカットの場合、午前11時前であっても証拠金維持率100%以下になると、強制決済の警告として「マージンコール」がかかります。
もちろんマージンコールを無視してロスカットという手段も可能ですが、基本的にロスカットは避けるべきものです。
マージンコールが来たら、ポジションの決済または追証などで対応するようにしましょう。
過去、IG証券の東京定時ロスカットは以前は東京「正午」でしたが、現在は1時間早い11時に改定されたので注意してください。
IG証券の追証・ロスカット・証拠金維持率【通常強制ロスカット】
IG証券の通常強制ロスカットは、追証を入金する猶予のないロスカットです。
時間の影響を受けることなく、証拠金維持率が75%を下回ったタイミングでロスカットされます。
なお「東京定時ロスカット」か、証拠金維持率75%を下回るタイミングのうち、早く到来したほうが適用されるというわけです。
追証を後回しにすれば、通常強制ロスカットのリスクは高まるため、マージンコールを受けたら早めに追証を入金しておきましょう。
IG証券の追証・ロスカット・証拠金維持率【ノックアウト・オプション】
IG証券には、基本的なFX商品のほか「ノックアウト・オプション」と呼ばれる商品が存在します。
事前に資金と損失の許容額を設定できる取引になり、特徴としては追証はありません。
注文した後は、成行注文による決済タイミングを見計らうだけです。
また、事前に許容損失を設定できることから、原則的に想定以上の損失は発生しません。
FXに比べると、事前に最大損失額がわかる、スリッページリスクがないため、リスクがを抑えることができますが、利用による手数料が発生することがデメリットです。
IG証券 ロスカット執行の順序
IG証券のロスカット執行には順序があり、以下の順序に則り注文日の古いものから執行されます。
まずは約定していないオーダーのキャンセルを行います。 つづいてストップ注文の設定がないポジションを決済したら、ストップ注文の設定があるポジションを決済します。
最後、オプションなど最大損失額が限定されているポジションを決済を行います。
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率の注意点
ここまでIG証券の追証とロスカット・証拠金維持率など、レバレッジ取引のリスク管理関連のルールについて解説しました。
ルールによってリスクを回避したり抑えたりできますが、それでもなお以下2つをレバレッジ取引の注意点として意識しなければいけません。
- スリッページ
- 借金(強制的な追証)
スリッページとは、注文価格と実際の注文が成立した価格のずれです。 本来、IG証券のロスカットはトレーダーの損失を一定範囲内におさめるためのシステムです。
証拠金維持率75%でロスカットということは、すなわち口座残高を25%減らしてしまう損失で済むということですので、資金内で収められます。
ところがスリッページが発生すると想定以上の損失が出てしまうこともあり、場合によっては口座残高を超えてしまう損失を出してしまうこともあります。
口座残高はマイナスになり、事実上の借金を抱えることになります。
IG証券では、必ずトレーダー自身が入金して借金を返済してマイナス残高を解消しなけれいけませんが、この返済は前項の「強制的な追証」にあたります。
放置しておくと遅延損害金も生じるため、追証を免れることはできないことを承知したうえで、IG証券でのトレードではきちんと証拠金維持率を管理する必要があります。
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率を分かりやすく解説まとめ
IG証券の追証とロスカット・証拠金維持率は、レバレッジ取引のリスク管理においてかかせない知識です。
なおIG証券の独自ルールとして、東京定時ロスカットか通常強制ロスカットのうち、早く到来したものが適用される、そしてオプション銘柄独自の強制ロスカット水準が設けられています。
ポジションを保有中は、こまめに証拠金維持率の確認を行い、トレードルールにしたがって追証またはロスカットを選びましょう。