外為どっとコムは国内のFX取引所の中では老舗と言えるほどの運営歴を持つ取引所です。
そんな外為どっとコムで初めてのFXをしてみようという人も多いのではないでしょうか。
ただ、FXをするにあたっては追証・ロスカット・証拠金維持率の考え方が欠かせません。
これらの考え方の理解なくFXを始めるのは率直に言って危険です。
そこで今回は外為どっとコムの追証・ロスカット・証拠金維持率について分かりやすく解説していきます。
外為どっとコムの追証とロスカット・証拠金維持率を分かりやすく解説
外為どっとコムの追証とロスカット・証拠金維持率の関係性
外為どっとコムの追証・ロスカット・証拠金維持率はそれぞれ密接な関係を持ちます。
そのベースとなるものが証拠金維持率です。 外為どっとコムでは証拠金維持率は以下の計算式で求められます。
・証拠金維持率=有効評価額÷必要保証金額×100
有効評価額は外為どっとコムの口座残高と評価損益の合計。
必要保証金額はポジションを維持するために最低限必要な金額です。
外為どっとコムの証拠金維持率とは、要するに担保となる証拠金が十分に確保されているかどうかの指標です。
この証拠金維持率が一定値を下回るとポジションは強制的に決済されます。 この強制決済がロスカットです。
ロスカットは口座へ追加で入金して証拠金維持率を回復すれば回避できます。
そのために口座へ追加で差し入れる証拠金が追証です。
なお、外為どっとコムの追証にはもうひとつの種類があるのですが、そちらについては別にのちほど詳しく解説していきます。
外為どっとコムは追証なしでロスカット
この言い方には少し語弊があるのですが、外為どっとコムに追証はありません。
追証とはロスカットを避けるために必要な追加の証拠金の略称。
一般的なFX取引所の場合、証拠金維持率が一定値を下回ったまま営業日をまたぐと追証の入金を要求されます。
そしてそのまま追証を解消できずにいると一定期間経過後にロスカットが発生します。
しかし、外為どっとコムに「追証入金」の警告はありません。
毎営業日の取引時間終了時刻1時間以内に証拠金維持率が100%を下回ると、追証の警告なしにロスカットされてしまいます。
また、外為どっとコムでは証拠金維持率50%~100%のあいだで別途ロスカットレベルを設定可能です。
つまり、外為どっとコムでロスカットされるケースは下記の2パターンあるのです。
1.証拠金維持率100%未満で取引時間終了1時間前を迎える
2.証拠金維持率が自分で設定したロスカットレベルを下回る
いずれの場合も追証入金の警告はありません。
外為どっとコムでロスカットを回避するためにはこの2つのパターンを理解して証拠金維持率を管理する必要があります。
外為どっとコムで追証なしのロスカットを回避するための証拠金維持率
外為どっとコムは追証なしでロスカットされてしまいます。
そのため、意図せぬロスカットを避けるためには自分で証拠金維持率を管理しなければなりません。
しかし、外為どっとコムでは何%の証拠金維持率を確保すればロスカットを回避できるのかに明確な基準はありません。
できるだけ高い証拠金維持率を保ちましょうとしか言えません。
ただ、ひとつの考え方というか目安はなくもありません。
それは長期>中期>短期のトレードスタイル順に証拠金維持率は高めにしておくとよいということです。
地震を例に考えてみましょう。
今後1週間以内に大きな地震が発生する確率と、今後30年のあいだに大地震に見舞われる可能性とどちらが高いでしょうか。
言うまでもなく後者です。
これは外為どっとコムのマーケットにも同じことが言えます。
長期のポジションになるほどリスクも高くなります。
したがって、長期>中期>短期の順に証拠金維持率も高めに保っておく必要があると考えられるのです。
外為どっとコムの追証とロスカット・証拠金維持率の注意点
ここまで、外為どっとコムに追証はないと解説してきました。
ただ、その言い方には語弊があるとも加えています。
これは厳密に言えば外為どっとコムでは追証入金の「警告」がないだけにすぎないからです。
追加の証拠金という意味合いでの追証は存在しますし、証拠金維持率を回復するための追証は任意で入金可能です。
とはいえ、この追証はそれほど問題とはなりません。 放置していてもロスカットされるだけです。
しかし、実は外為どっとコムにはもうひとつ、必ず入金しなければならない追証が存在します。
それはロスカットが間に合わず口座残高以上の損失が出た場合の追証です。 これはロスカットの「回避」が間に合わないという意味ではありません。
外為どっとコムのロスカットシステム自体がマーケットの急変についていけず、本来よりも不利な価格でロスカットされたケースです。
その結果として口座残高ではまかなえない損失が出ると、そのマイナス分はトレーダーが追証として解消しなければならないのです。
この追証は証拠金維持率の回復が目的ではないため任意ではありません。
必ず入金する必要があります。
もし仮にそのまま放置しておくと年率14.6%の遅延損害金も生じます。
つまり、この場合の追証とはすなわち外為どっとコムへの借金にほかならないのです。
そうそう発生することでもありませんが、万が一にもこのパターンの追証が発生したら速やかに解消しておきましょう。
外為どっとコムの追証とロスカット・証拠金維持率は他社に比較して厳しいのか
外為どっとコムの追証なしのロスカットルールは他社に比較すると少し厳し目と言わざるを得ません。
一般的な取引所の場合、証拠金維持率が一定値を下回ってからロスカットまでにはある程度の時間的な猶予があります。
取引所にもよりますが、通常は1営業日ほどの猶予があります。
それにくらべると、当日営業時間終了前1時間以内までという外為どっとコムの猶予は短すぎます。
ただ、もうひとつのロスカットレベルについては外為どっとコムと他社とでそれほどの違いはありません。
追証の警告のある他社の場合でも、多くは証拠金維持率50%未満になると追証なしの即時ロスカットが発生するからです。
たしかに、総じて外為どっとコムの追証とロスカットの仕様は他社にくらべるとやや不利です。
しかし、それだけで利用を控えるべきというほど致命的でもありません。
基本的にはそれほど気にする必要はないでしょう。
外為どっとコムの追証とロスカット・証拠金維持率を分かりやすく解説 まとめ
外為どっとコムは追証の警告なくロスカットされるルールです。
そして、ロスカットには2パターンあります。
ひとつめは証拠金維持率100%を下回ったまま取引時間終了1時間前に入ること。
ふたつめは自分で設定したロスカットレベルを下回ることです。
この外為どっとコムのロスカットルールは国内のFX取引所の中では少し特殊な部類に入ります。
他社を使ったことのある人はこういった外為どっとコムの追証・ロスカットのルールには注意しておきましょう。