DMM FXは国内最大手のブローカーのひとつです。
しかし、その取引条件にはなんらかの制限などはないのでしょうか。
たとえば、両建てなどはできるのでしょうか。
また、できるとしてなんらかの注意点はないのでしょうか。
そこで今回はDMM FXの両建てについて分かりやすく解説していきます。
DMM FXの両建てを分かりやすく解説
DMM FXは両建て可能
DMM FXは両建てを公式に認めています。
両建てとは同一通貨ペアに対して売り(ショート)と買い(ロング)のポジションを同時に建てる手法。
このようにしておくと、マーケットがどう変化しても双方のポジションで損益が相殺されます。
DMM FXにかぎらず両建ては主にリスクヘッジ目的で使われます。
ただ、DMM FXはあまり両建てを推奨していません。
その理由については以降で詳しく解説していきます。
DMM FXの両建て時の証拠金
DMM FXの両建てはリスクヘッジ目的としては大変有用です。
しかし、両建てはポジションを2つ持つことが不可欠のため、必要証拠金も2倍になることに注意が必要です。
また、DMM FXの最大レバレッジは25倍であることから、両建てをするためにはそれなりにまとまった資金力が必要になってきます。
まずいポンド円両建て仕様にも証拠金不足だ...
— O.bin.Laden (@K_Lapin_Noir) June 4, 2020
たとえば、1USD=100円のときにUSD/JPYで10,000通貨の両建てをするとします。
すると必要な証拠金は「10,000USD×100÷25倍×2=80,000円」。 これは決して安くはない金額です。
しかもDMM FXのロスカットレベルは50%のため、実際にはもう少し余裕を持たせる必要もあるでしょう。
したがって、DMM FXの両建てはある程度の資金力のある人向けの手法といえるでしょう。
DMM FXの両建て時のスワップポイント
DMM FXで両建てをするときはスワップポイントにも要注意です。
スワップポイントとはDMM FXでポジションを翌日に持ち越すと発生するもの。
通貨ペアの種類とポジション(売りor買い)によっては支払うだけではなく貰える場合もあります。
これを利用すれば為替差益ではなくスワップポイントだけで利益を狙うことも不可能ではありません。
しかし、DMM FXで両建てをしているとスワップポイントはほぼ必ずマイナス(支払い)になってしまいます。
そのため両建てをしているかぎり、無駄にスワップポイントを支払い続ける羽目になってしまうのです。
ポンドル両建てで無敵と思ってたらマイナススワップで一気に持っていかれてる。 プラススワップもあるがマイナスに比べたら微々たるもの。 全然無敵じゃないやん!
— 茶々丸@FXトレーダー (@chachamarufx332) May 7, 2020
また、両建てのマイナススワップで生じた含み損を取り戻したいという淡い期待は損切りの判断を鈍らせがちです。
その結果としてずるずると損失ばかりが膨らみ続けていくということも珍しくありません。
基本的に両建ては短期間で活用するものと考えておきましょう。
なお、DMM FXの両建てにかかるコストはスワップポイントだけではありません。
事実上の取引コストのひとつであるスプレッドもまた、両建て時には2倍かかることにも注意しておきましょう。
DMM FXで両建てをする方法
DMM FXの取引プラットフォームに「両建て」という項目はありません。
そのため両建てをするためには手動で売りと買いの注文を入れなければなりません。
その際、DMM FXのプラットフォームではオプション設定が必須です。 利用するオプションはFIFO (First In First Out)。
両建てしようとしたら相殺されてふぁっ!?ってなってたらFIFO設定オンにしてた。 設定ミスで8000円飛ぶとか〜
— りょう (@ktkrorz1) February 12, 2019
FIFOは名前のとおり、先に仕入れたものを先に決済するオプション設定です。
DMM FXではこの機能がONになっていると注文に新規/決済の区別がなくなります。
具体的には、両建てをしようと反対注文を入れた瞬間、その注文は決済注文とみなされてしまいます。
たとえば、両建てにするために先に5ロットの買いポジションを持ち、次いで5ロットの売り注文を入れたとします。
するとこれは単に一瞬だけDMM FXに買いポジションを建てて、すぐに決済しただけという結果になってしまいます。
当然、スプレッド分の損失も出ます。
DMM FXで両建てをするときは必ずFIFOをOFFにしておきましょう。
DMM FXの両建てとナンピン
DMM FXの両建てにはナンピンという手法もあります。
ナンピンとは難平とも書き、難局時にポジションを拡大して、ポジションの平均購入(売却)コストを下げる手法。
外貨預金などではドルコスト平均法とも呼ばれます。
これをDMM FXの両建てに適用することで難局を乗り越えつつリターンが狙えるのです。
たとえば、1USD=100円のときにロングでエントリーしたが、予想に反して1USD=99円にまで下がってしまったとします。
ここでショートでエントリーすることで両建てにできます。
あわせて、ロングポジションも買い増しておきます。
そして、やがて値を戻した際に決済すれば利益が生じるというわけです。
リスクテイクとリスクヘッジ
これを同時にできるのが、両建てナンピンという方法。 まぁ、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもの。 でもねぇ~。これがうまく機能するんですよ。日経先物っていう市場では。 — 6年で200倍。私の資産形成方法 (@shinkawa2020) July 30, 2020
ただし、言うまでもなくこの両建てナンピンにはかなりの資金力が必要になります。
しかも資金力が尽きてロスカットされるときにはポジションも大きくなっているため損失も拡大しがちです。
実際にDMM FXで活用していくためには相当の資金力とメンタルの強さが必要になってきます。
そのため、あまり実用的とは言えないというのが正直なところです。
ナンピンと両建ては、高度なスキルが必要なテクニック。
初心者が、損切りできずにやる事が多いが、 その場合、まず、かえって大きなダメージを受ける。 #FX — Anshinkyo@FXは人生の救世主 (@siri1190) March 29, 2020
ちなみに、ナンピンや両建てはときに必勝法などと呼ばれることもあります。
たしかに理論上は強力な手法であることは否定しません。
うまく使いこなせれば強力な武器となることでしょう。
しかし、FX初心者の人にとっては難度の高い手法と言わざるを得ません。
DMM FXが始めてのFX経験という人は、あまり両建てにこだわらないほうがよいでしょう。
DMM FXの両建ては有効な手法なのか?
DMM FXの両建ては初めから相場の変化に対応するためにするのであれば有効です。
ただ一方で、すでに生じた含み損をカバーするためにする両建てはおすすめできません。
DMM FXで損失をカバーするためにする両建ての前提は、そう遅くない時期に値を戻すという期待です。
しかし、当然ながら実際の相場が期待どおりに動くとはかぎりません。
そういった無根拠な期待は心理学的には正常性バイアスと呼ばれる「自分だけは大丈夫」という思い込み、いわゆる認知のゆがみであるとされます。
正常性バイアス、投資(投機)家も常にこれと戦う必要があるね。
— 海坊主 (@umibouzSJ) January 30, 2020
DMM FXにかぎらず、投資の世界ではこういった認知のゆがみは最大の敵です。
無根拠な期待をもとに両建てでその場をしのごうというのは極めて危険な考え方と言わざるを得ません。
含み損を抱えた状況でDMM FXで両建てをしようと思ったときは、自分の認知がゆがんでいないかどうか、いま一度冷静に考え直してみましょう。
DMM FXの両建てを分かりやすく解説 まとめ
DMM FXは両建てが可能です。
ただし、DMM FX自体は両建てを推奨していません。
両建てには証拠金が2倍かかる、スプレッドやスワップポイントも二重になるといったように様々な特徴があるからです。
両建てはたしかに使いこなせれば非常に便利なトレード手法です。
しかし、FX初心者のうちはあまり過信ぜず、基本的な手法でのトレードに努めることをおすすめします。